皆さまこんにちは!
新・ぜんそく力な日常という絵日記ブログを運営する碧乃あか男と申します。
今回もを知る通信様に記事を寄稿させていただきました。どうぞよろしくお願いします。
今回、皆さまに紹介する体験談は、僕の幼少期の頃の話になります。
僕がまだ4〜5歳くらいの頃、当時父が勤めていた会社の先輩で、Sさんという方がいました。
Sさんは父ととても仲が良く、先輩後輩というよりは親友(悪友?)のような関係だったそうで、仕事の後は、のべつ遅くまで飲み歩いていました。
そして時には家にも飲みに来て、帰りが遅くなった日などは、そのまま泊まったりしていました。
Sさんが家に来るたびに
お土産として、電池で走る車のおもちゃを僕にくれました。
僕も“車のおもちゃのおじさん”と、Sさんにとても懐いていました。
「車のおもちゃのおじさん、今日は家に来るかな?」
なんて、Sさんが来る日をとても楽しみにしていました。
しかし、母的には……
毎回、食事やら泊まりの世話やらで、とても大変で、かなり迷惑だったようです。
当時の父は、良く言えば亭主関白、悪く言えば暴君だったので、母の苦労は相当でした。
そんなSさんの口癖というのが……
人生で一度でいいから新聞に載りたい……
Sさんが家に来るたびに、その言葉を聞いた記憶があります。
そんな状態が1〜2年くらい続いた後、とある理由からSさんが家に来る事はなくなりました。
とある理由というのが……
父が会社の同僚の女性と浮気をしていて、それが母にバレて、それで家の中が一時期修羅場になっていたんです。
しかもそのタイミングで弟も生まれて、浮気相手の嫌がらせやらで警官まで来たり、あの時は本当に大変でしたね……
と、話がそれたので戻しますが、それから数年後の事です。
僕が小学生の時、あのSさんにある事がおきました。
そう、それはいつもSさんが言っていた、「人生で一度でいいから新聞に載りたい」という言葉が現実になったんです!
ある夏の日の事、休日にもかかわらず、父の会社から電話がありました。
電話に出た父は、かなり慌てた口調で、その日の新聞を僕に持ってこさせました。
父は電話をそのままに、大慌てで新聞を広げ
父が見た新聞……
そこには、あのSさんの事が書いてある記事がありました!
Sさんは念願の新聞に、ついに載ったんです!
しかし、そのSさんが載った記事というのが……
富士登山中に落雷!男性一人死亡!
小さい頃の事なので、詳しくは憶えていませんが、Sさんは長期休暇か何かで、富士登山に初挑戦したそうです。
そしてその途中で落雷に遭われ、運悪く胸ポケットにしまっていた、腕時計? (ここは記憶が曖昧)に雷が直撃して、Sさんは亡くなったそうです。
僕も新聞を見ましたが、写真はなかったのですが、記事としてはけっこう大きく取り上げられていました。
と肩を落とす父……
あの暴君だった父が涙を流していたのを今でも憶えています。
人生の最後に最悪の形で夢を叶えたSさん……
僕も”車のおもちゃのおじさん”が死んだと、凄いショックを受け、雷が鳴っている時に、外に出るのは本当に危険な事なんだと、新ためて認識したものでした。
皆さんは一生のうちで叶えたい夢はありますか?
以上で僕の幼少期の頃の悲しい体験談は終わりです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。