「職場の人間関係がうまくいかない」「組織や集団の中でのコミュニケーションが苦手でストレスを感じる」
今の時代には、このような気持ちを抱えながら毎日仕事に向かう人が多いです。
しかし、お金を稼ぐためには、時にやりたくもない仕事をしたり、好きでもない人とうまく関わったりしていく必要があります。また、どんなに仕事が嫌でも生活するためにはお金が必要ですし、家族がいるならなおさら簡単に辞めることができませんよね。
現在、「今は仕事を辞められないけど、会社の人と馴染むことができない」と苦しんでいる人は、一度考え方を変えてみてはいかがでしょうか。
その考え方とは、仕事と人間関係のどちらかを思い切って「捨てる」くらいの気持ちで社会に挑むことです。
この記事では、会社という組織の中でストレスを感じてしまう原因とともに、その状況で自分の気持ちを改善する方法を心理学的に解説していきます。
仕事でストレスを感じる原因は「人間関係」にある
まず、今の日本社会でサラリーマンの方々が仕事でストレスや疲れを感じる原因で最も多いのが「職場の人間関係」と言えます。
実際に、ニュース事業を営むニフティネクサス株式会社が行なった調査によると、仕事を辞めたい・仕事に行きたくないと感じる理由の約半数が「人間関係」によるものでした。
職場での人間関係の構築は、うまくできる人もいれば、苦手だという人もいます。職場は人の集まりであるため、他の人とコミュニケーションをとるのが苦手な人は、どうしてもストレスを感じてしまうでしょう。
また、会社という集団組織の中では、そこでしか通じないような、偏った常識のようなものが自然とできていきます。
その偏った常識にうまく溶け込めない人は、皆に合わせることが上手にできず、それだけで周りから誤解され、ネガティブなレッテルを貼られやすくなってしまうものです。
そして、いつの間にか浮いた存在になり、みんなに気に入られなかったり、陰口を言われたりなど、その職場では肩身が狭くなりやすいのです。
集団に馴染めない人がネガティブなレッテルを貼られる理由
集団に馴染めないというだけで、なぜ周りからネガティブなレッテルを貼られ、本人がストレスを感じてしまうのでしょうか。
それには、日本人特有の気質である「集団の中で違うことをしていると、その人を白い目で見て除外しようとしたがる習性」が関係しています。この日本人特有の気質が作り上げられた原因は、“4つの恐怖心”によるものでした。
4つの恐怖心とは、アメリカの社会心理学者でスタンフォード大学の名誉教授でもある「フィリップ・ジンバルトー」の研究チームが、長年行なっている調査によって判明したものです。
フィリップ・ジンバルトー氏の研究チームは、世界中の子どもたちに対して、人が持つ「恥ずかしい」という感情について研究・実験をしていました。
ある実験の結果、「恥ずかしい」という感情を多く持っていたのが日本人の子どもだったと言われています。そして、さらに深く掘り下げていくと、日本の子どもたちは“4つの恐怖心”を常に抱えていることがわかったのです。
日本人が生まれながらに持つ“4つの恐怖心”
日本人が生まれながらに持つ4つの恐怖心には、下記のものが上げられます。
【日本人の子どもが抱えている“4つの恐怖心”】
- 失敗することに対する恐怖
- 人から拒絶されることに対する恐怖
- 人から低い評価をされることに対する恐怖
- 人と親しくなることに対する恐怖
私たち日本人は、なぜか物心ついたときから、これらの恐怖心を抱えている傾向があったのです。そして、大人になっても4つの恐怖心が日本の社会で悪影響を及ぼしており、それが組織や集団で生きづらさを抱える原因と言えます。
具体的には、ストレスを抱えるもととなる“4つの恐怖心”は、会社でも下記のような状況で発生します。
【会社で発生する“4つの恐怖心”の例】
4つの恐怖心 | ストレスの原因となる行動 |
---|---|
失敗を恐れる恐怖 人から低い評価をされる恐怖 |
・仕事ができないといけない |
人から拒絶されることの恐怖 | ・周囲と同じようにしないといけない ・嫌なことも無理をして受け入れなければならない |
親しくなることの恐怖 | ・本音は出してはいけない ・自分を出してはいけない ・表向きを大切にする |
多くの日本人は、会社でも“4つの恐怖心”を避けようと行動をしています。そこに馴染めず仲間と認められなければ、周りからストレスのはけ口にされたり、酷い仕打ちを平気でされたりするのです。
会社の人たちがそうしてしまうのは、それぞれが恐怖心を避けたいからとも言えるでしょう。
そのような環境で活躍をするには、集団の中のひとりではなく一人の人間として、そして必要な人材として社会に貢献していく気持ちをもつことが大切です。
集団に対しては“個性”が武器となる
職場の人間関係でどんなに嫌な思いをしていても、仕返しをしてストレスを解消することは無意味です。相手は集団で“4つの恐怖心”を避けようと行動しており、そんな人たちに一人で何を言っても無駄だからです。
ただ、いま以上に会社の人と敵対したり、仲を悪くしたりするということではありません。
大切なのは、会社の人たちに期待したり、寂しがったり、変に気を回すことなどもせず、堂々と仕事をすることです。本来職場というものは、仲良しクラブでもなければ、ストレス発散の場でもなく、大事な顧客やお客様のためにあります。
お客様のために仕事をして、その見返りに報酬をいただくための場所であり、その人たちのためになること、喜んでもらえることを常に考えることが重要です。
そして、会社で一生懸命働いて得たお金を、大切な家族や自分の生活や楽しみのために使えば、良い循環が作られていきます。どんな状況であっても、職場の人間関係に心を囚われたり、エネルギーを使ったりしないようにしましょう。
こちらからゴマをすろうと考えたり、敵対したりする考えをもってしまえば、それこそあなたの“個性”が死んでいきます。
『自分は自分、人は人。』
それを割り切って考え、心に境界線を引きましょう。
この気持ちを貫ける人ほど、自分の個性が輝きだします。そして、それこそが「集団に対する唯一の武器」となります。
個性を強くしていく思考法
個性を強くしていく方法(思考法)には、下記のようなものがあります。
【個性を強くしていく思考法の例】
- 嫌われてもいいと思うこと
- 仕事場は自分のためではなくお客様のためにあると思うこと
- 自分の人生をいかに楽しむかを考えること
- 自分の大切な人のために生きようと決心すること
これらの思考を癖づけると、自分自身の生き方が変わってくるため、職場でくだらないことに囚われている人たちが、バカバカしく見えてきます。
なにより、自分の信念を崩さずにすればするほど、人間関係のストレスから解放されるだけでなく、どんどん精神的にも強くなっていきます。
また、個性を大切にする気持ちを貫いていれば、今後職場であなたを理解しようと考える人が出てくるため、それまでは腹をくくるつもりで挑む精神力が大切です。
そしてこれは、あなたが個性的で素敵であるということを、その人たちに認めさせる唯一の方法であるため、それを日々忘れずに努力し、自ら成長していきましょう。
まとめ
集団で安心するような人たちは、基本的に「変わることを恐れている人」でもあります。なぜ変わることを恐れるのかというと、それを認めてしまえば、自分たちのこれまでの生き方が否定される気分になるからです。
時代は進化しているため、本来は変わることを恐れる人に合わせる必要がありません。しかし、日本人の根強い集団意識が残っているせいで、人間関係のストレスに苦しんでいる人があとを絶たないことも事実です。
「いまは仕事を辞められないけど、人間関係で馴染むことができない」と苦しんでいる状態なら、いっそどちらかを取って、もう片方を捨てるぐらいの気持ちで挑みましょう。
なにより、これからの世の中を強く生き抜くには、集団に依存して無難に生きる気持ちよりも、たった一人の『強い意志』が求められます。
そのため、これまでの意識を変えることが大切です。自分の個性を武器にしながら積極的に己と向き合っていける人ほど、皆に愛される人材となっていくでしょう。
お読みくださりありがとうございました。