皆さまこんにちは!
新・ぜんそく力な日常という実体験をもとに絵日記にしたブログを運営している碧乃あか男です。
今回もまた、を知る通信様に記事を寄稿させていただきました。
よろしくお願いします。
皆さんは、何か資格を持っていますか?
僕もかつて、会社の為に資格を取ろうと頑張っていた時がありました。
それは今から10年前、僕がとあるプラスチック成形工場に勤めていた時の話です。
当時世間を騒がせていたリーマンショックの影響で、ウチの会社の注文が激減し、経営状態が悪化しました。
工場の縮小や全社員の給料カット、さらにベテラン社員のリストラなど、様々な事がありました。
そこまでやっても厳しい状況が続く会社……
当時僕は、会社の中でも生産&品質の管理を任される重要なポストにいました。
この厳しい状況をなんとかしたい!
少しでも会社の力になれないかと、ある技能士の国家資格に挑戦してみようと考えました。
国家資格を持つ者が一人でも会社にいれば、お客さんの信頼度が高くなるし、そうすれば自然と注文も増えてくると思ったのです。
しかし、経営状況が厳しい会社に、技能検定試験を受けるから試験代を払ってくれとは言えません。
僕は会社には言わず、単独で受験する事に決めました。
試験代と諸費用を合わせて約5万円……
そして、挑戦する試験は技能試験と実技試験の二つに分かれており、その合格率は約30%……
かなり生活面にも精神面にもかなりキツイけど、会社の為にやるしかない!
毎朝4時半に起き、出勤時間ギリギリまで、本や学科の問題集などで勉強をしました。
そして、挑んだ最初の技能検定試験の結果は……
学科は100点満点中96点で合格!
しかし、実技は、緊張のため本来の力が出せず、制限時間3時間10分のところを15分オーバーしてしまい、不合格となってしまいました……
ただ、学科は一度合格すると、以後5年間は学科試験が免除になるので、次の年にもう一度、実技試験だけを受ける事にしました。
今度は実技で緊張しないようにと、やはり毎朝早起きしては、実技の参考書を読み返して……
帰宅した後は、家族にチェックしてもらいながら、入念なイメージトレーニングを重ねました。
そして、2度目の検定試験日は……
毎日のイメージトレーニングと2度目の実技試験という事もあって、それほど緊張せずに迎えられました。
ところが、試験会場に着き、僕を担当する試験官(正確には技能検定員と言います)に挨拶をすると……
担当の試験官が、どう見ても僕より年下!
こいついくつだ?20代?30そこそこか?
僕は38(当時)だし、下手すりゃ10コ以上年下か?
去年は見るからに大ベテランの職人のような人だったのに、今年はこんな若造が……
ていうかこんな若くて試験官になれるのか⁉︎
自分より明らかに年下の試験官に見られるのかと思うと、なんだか緊張してくる……
ちなみに、実技試験の内容を簡単に説明すると、成形機に規定の金型を取り付け、2種類の原料で40個ずつ成形品を作り、金型を取り外し、作った成形品の収縮率や不良率などを計算します。
これを3時間10分までに終わらせ、1分過ぎるごとに減点され、30分を過ぎると強制終了となります。
そしていよいよ実技試験がスタート!
緊張なく迎えられた試験だったのに、若い試験官の影響で変な緊張が出てしまい、冒頭はかなりあたふたしていました。
それでもなんとか必死に作業をこなし、制限時間内に終わるメドが立ったその時です。
試験官が見当たらない……?
さっきまで側で僕を見ていたはずなのに……
と!
なんと試験官が試験官席で居眠りしていたんです!
本来試験官は、受験者の側で試験をチェックしてなきゃいけないはずなのに、席で居眠りしているなんて……
この居眠り、僕の試験内容が良くて、もう見なくても大丈夫だと安心しての居眠りなのか?
それとも試験内容がダメすぎて、もう諦めの居眠りなのか?
そんな風に思うと、余計に焦ってくる!
最後の方は混乱しながらも、なんとか制限時間5分前には終了しました。
今回は時間オーバーもしていない!試験官はきっと安心しての居眠りしていたんだ!
そう思うようにして、迎えた試験結果は……
不合格!
あの試験官は、僕の試験内容がダメすぎて、諦めの居眠りだったようです……
一体何がダメだったのだろう……
ていうか!
試験内容が良くても悪くても、人の一生が左右される大事な試験なんだから絶対に寝るなー!
お前も試験官としては不合格だー‼︎
そして、その後の僕は、会社の方針転換で重要ポストを外された事など色々あって、会社の為に頑張ろうという気力がなくなり、実技試験は受けませんでした。
まぁ、結局はその会社も辞めてしまったし、射出成形に関わる事はもう二度とないでしょうね。
以上、僕の技能検定試験での体験談は終わりです。最後まで読んでいただきありがとうございました。