『塾の先生が英語で子育て』というブログを運営している「塾パパ」と申します。
普段は塾講師をしながら塾を9教室経営しており、ブログでは主に楽しく英語を学ぶ方法をご紹介しています。
英語で話すことに憧れている方の中には、「何から勉強を始めればいいの?」「仕事もあるし勉強時間を取るのは難しい……」といった悩みを持つ方もいますよね。
そんな方におすすめなのは“英語多観”です。英語の動画・映像をたくさん観ることで、子どもが自然と日本語をマスターするのと同じように、大人になってからでも英語をマスターできます。
この記事では、現役塾講師の立場から、英語多観の意味やコツ、初心者の方におすすめの動画・映像作品をご紹介します。英語で話すことに憧れを抱く人は、スキマ時間に英語多観をして、ぜひとも英語をマスターしてみてくださいね。
英語多観とは「英語の動画をたくさん観ること」
英語多観とは、文字通り英語の音声で収録された動画・作品をたくさん観ることです。
動画のジャンルは自分が好きなものでOKです。映画やドラマ、アニメでも自分が好きな作品を英語音声で観るだけで、耳が慣れて自然と英語が聞き取れるようになり、だんだんと作品の内容が理解できるようになっていきます。
好きな作品を楽しみながら英語が身につくなんて、素晴らしい方法だと思いませんか? 英語多観は、過去に英語の勉強で挫折した方や、英語に苦手意識のある方でも取り組みやすい方法といえます。
大人でも子供でも英語多観は効果を発揮する
英語多観は、大人でも子供でも効果を発揮します。その実例として、私の体験談を紹介させてください。
私は「娘に英語を話せるようになってほしい」と考え、自宅で娘と英語学習に取り組んでいます。その英語学習のひとつに、娘と英語のアニメを観ることがあります。
英語字幕があるほうが分かりやすいので、はじめは英語字幕を付けて娘と英語アニメを観ていました。しかし、途中に娘から「英語を消して」と言われたことがきっかけで、英語の字幕を消すように。
英語の字幕が消えてからというもの、字幕なしで英語アニメを観ることをつらく感じていました。もちろん、娘が観ているので字幕を付けるわけにもいかず、私は我慢して観ていました。
しかし、視聴回数を重ねるにつれて、英語アニメを字幕なして観ることが苦にならなくなり、初めて見る英語アニメでも理解できる内容が増えてきたのです。
その1年後には、初めて見る映画でも英語で8割以上理解できて、最近だと『ジョーカー』や『アナと雪の女王2』などの作品も英語で楽しめるようになっています。また、5歳の娘も幼児向けのアニメなら、内容も理解しながら観ることができるようになりました。
つまり、たくさんの英語に触れられるので、自然と英語力が高まり、聞き取れる・理解できる内容も増えていくのです。英語多観は、英語学習の中でも効果を実感しやすい方法といえます。
英語多観の具体的な方法とコツ
効果的に英語多観を実践する方法は、とてもシンプルです。それは、英語音声の動画を字幕なしでたくさん観ることです。
短い動画であれば数分で終わるので、スキマ時間でも英語学習に取り組めます。特に普段から動画を観る習慣が身についている方であれば、時間の一部を英語多観に置き換えるだけで、日常生活の中に英語学習を取り入れることができます。
ただ、闇雲に英語動画を見るだけでは、その効果を感じるのに時間がかかりかねません。そこで、英語多観を始めたい人が意識すべき2つのポイントを紹介していきます。
自分の英語レベルに合った動画を観る
英語多観においてもっとも重要なのは、自分に合ったレベルの内容の動画を観ることです。このように言い切るのは、私が身をもってその効果を実感したためです。
私は娘と英語多観に取り組む前、NBA(北米で展開する男子プロバスケットボールリーグ)が好きで、毎日NBAの試合を英語音声で観ていました。当時は英語学習のために観ていたのではなく、英語でしか観る手段がなかったため、仕方なく英語で観ていた状態です。
NBAを英語で観ていた時間を計算すると、約1,500時間も観ていました。これだけ見れば、英語力が飛躍的・爆発的に向上しそうだとは思いませんか?
しかし、現実はほとんど英語学習の効果がなく、海外映画を観ても英語が聞き取れるようになりませんでした。
一方、娘とアニメで英語多観をした時間は約78時間です。つまり、娘と英語アニメを観た時間は、NBAの時間の約5%と圧倒的に少ないです。
圧倒的に時間が少ないにもかかわらず、自分に合ったレベルの動画を英語で観た効果は絶大でした。娘と英語アニメを観てからは、NBAの動画を英語で観てもかなりの内容が理解できるようになったのです。
そのため、これから英語多観を始める人は、内容を理解しやすい動画・映像作品から始めてみてください。
自分が楽しめる動画を観る
私は幸いなことに、娘に「英語字幕を消して」と言われ、字幕なしで英語を観る環境を作れました。ただ、私がはじめに感じたように、字幕なしで英語の動画を観続けるのは、苦痛に感じる方も少なくないと思います。
しかも、年齢が高くなるほど日本語と英語のレベル差が広がっていくため、大人ほど英語で動画を観ることに苦痛に感じる度合いが強くなる可能性が高いです。
わからない作品を観続けることはつらいもので、それが英語多観の一番の障害だと思います。そのため、自分が「楽しい」と思えて、かつ簡単な英語が出てくる作品を観ることがとても大切です。
また、英語で動画を観はじめて「分からない」「面白くない」と思えば躊躇なく途中でやめてもOK。動画との相性もあるので、自分にとってわかりやすいものや、楽しめるものを選ぶことをおすすめします。
英語多観におすすめの動画・映像作品ランキング
動画の中で使用されている英単語数やストーリー設定などを考慮した結果、これから英語多観を始める方におすすめの動画は下記です。
【英語多観におすすめの動画ランキング】
1位 | Peppa Pig(イギリスの子ども向けアニメ) |
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2位 | Curious George(おさるのジョージ) |
3位 | ジブリ映画 |
4位 | ディズニーアニメ(最近の映画の方が簡単) |
5位 | ティーン向け映画(ハリーポッターなど) |
ディズニーアニメやティーン向け映画を英語で楽しめるようになれば、多くの映画も英語で楽しめるようになります。その後は、好きな映画や好きな海外ドラマ、好きなアニメの英語多観にどんどんチャレンジしてみるのがいいでしょう。
英語初心者におすすめな動画は「Peepa Pig」
英語多観を始める方に対して、特におすすめする動画は「Peppa Pig」です。Peppa Pigは、日本でいうアンパンマンのように、イギリスで親しまれているキャラクターです。
おすすめする理由は1話が5分と短く、内容が子ども向けなので映像から内容を推測しやすく、セリフと映像をリンクして覚えられることです。お決まりのセリフも多いため、観れば観るほど英語でも内容が理解できることを実感できるはずです。
また、Peppa Pigの20話分(約100分)で使用された英単語を分析したところ、使用された単語の種類は843個でした。そのうち中学校で習う単語が790個で全体の約94%、中学校で習わない単語が53個で全体の約6%しかありませんでした。
中学校で習わない単語の53個も、「hiccups(=しゃっくり)」などの聞き慣れないもので、難しい言葉は少なく、知らなくても映像を見れば理解できる単語ばかりです。
アニメの中で使用された約94%が中学校で習う英単語と分かれば、英語でアニメを楽しむことも、思ったよりできそうだと感じませんか? やり方を工夫すれば、英語で動画を楽しむことは難しいことではありません。
英語多観の動画を観る方法
今回ご紹介した動画は、以下の方法で観ることができます。
【英語多観におすすめの動画を観る方法】
おすすめの動画 | 観る方法 |
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Peppa Pig | YouTube公式チャンネルで視聴可能 |
Curious George | NHK Eテレで毎週土曜日午前8:35から放送 音声設定を副音声に切り替えて視聴可能 |
ジブリ、ディズニーなど映画 | DVD、ブルーレイディスクで英語音声に切り替えて視聴可能(※1) 動画配信サービス(Netflix、Hulu、Disney+など)で視聴可能(※2) |
※1:全てのDVD、ブルーレイディスクに英語音声が収録されているとは限りませんので、事前に確認されることをおすすめします。
※2:AmazonPrimeVideoやAppleのiTunesの動画配信など、サービスによっては日本語字幕を消せない、英語字幕表示ができないサービスもあります。
特にPeppa Pigであれば、YouTubeで無料視聴できるので、今すぐにでも英語多観を始められます。第1話は、YouTubeの「Kids Videos」のチャンネルから視聴可能です。
引用元:YouTubeチャンネル「Kids Videos」
はじめは、英語で内容を理解することが難しいと感じるかもしれません。ただ、2話・3話と動画を観ていくうちに、だんだんと英語が聞き取れるようになるのが実感できるはずです。
英語字幕を消して動画を観ることがおすすめ
英語多観をする方には、英語字幕なしで観ることをおすすめします。ただ、字幕なしで観ることがつらい場合は、英語字幕や日本語字幕で観てみてください。
ときどき日本語字幕を消したうえで観て、日本語字幕を英語字幕に変えてみる。
英語字幕で観て、気が向いたら字幕を消してみる。また字幕なしで観て、「聞き取れなかった」「気になった」という場面だけ英語や日本語の字幕を観る、というイメージです。
理想は字幕なしで観る続けることですが、英語学習においてもっとも大切なことは、継続することです。どんなに素晴らしい方法でも、継続できなければ学習効果は期待できません。逆に継続していけば、字幕なしで観ることができるようになってきます。
まずは自分が続けられるように、英語多観を楽しむことが大切です。自分に合った方法にアレンジしながら英語多観をすることをおすすめします。
最後に
英語を習得するためにもっとも大きな原動力は、英語で何かにハマることです。好きなことを英語で取り組めば、1年でも、もっと短い数か月でも劇的に英語力が変わります。
たとえば、今回ご紹介した英語多観では、英語は楽しみながら習得できます。他にも、私のブログ『塾の先生が英語で子育て』で、たくさんの楽しく英語を学ぶ方法をご紹介しています。
自分が楽しめる勉強方法が見つかると、飛躍的に英語力を伸ばすことができます。他の記事も読んで頂ければ、自分に合った方法で楽しみながら英語に取り組めるかもしれません。
英語で話すことに憧れている方は、ぜひとも英語でなにかにハマってください。1年後には驚くべき英語力が身に付いているはずです。