幼児教育無償化、ちょっと待った!元保育士が伝えるリアルな保育園

こんにちは!

アメブロで「それキツネやで!」を描いています野原のんと申します。

突然ですが私、産休育休を挟みながら約10年間続けていた保育士を先日退職しました。

保育士がまずぶつかる3K

保育士になると決めて短期大学に通っていた時、先生に「仕事としては3Kだから大変だよ」とよく言われていたのですが、その3Kというのが主に保育・福祉の労働環境を皮肉って言われる言葉みたいです。

学生の頃は「まぁどんな仕事だって大変なところはあるんだし」とあまり気には止めていなかったのですが、、、

いざ、社会に出て保育士として働いてみるとその言葉の意味が嫌という程突き刺さりました。

私は実家を離れ一人暮らしをしていたのですが、1ヶ月の給料の中から家賃・光熱費・通信費・奨学金の返済などを差し引くと手元に残るのは僅か。

貯金なんて到底出来る金額ではありませんでした。ここで、短大時代の友達がチラホラと「バイトしてた時の方が稼げたし、拘束も少なかった」と保育士を離脱していきます。

保育士不足の第一歩ですよね。まさに。

それでも、日々の子ども達からもらう笑顔や、思わず笑ってしまうような行動・言動、胸を締め付けられるような感動や愛しさに何度も救われて、保育士を続ける仲間もたくさんいました。

しかし、女の人が多いこの職業……結婚の波がきて、その後に来るのは妊娠出産の波。

私も例に漏れず結婚・妊娠・出産をしましたが、周りのサポートを受けられない状況だったので正社員からパート勤務に切り替えました。

パート勤務になると、職場にもよりますが基本的に書類仕事が無くなります。

また、早朝延長の当番制からも外れて固定時間での出勤になるところが多いので、かなり働きやすくなるんですね。

でも、忘れてはいけないのが、我が子。

小さな子は本当に頻繁に熱を出し、病気をもらい、ケガをします。
今までは自分の身ひとつで動けていたものが、全てガラッと子どもメインに変わるんですよ。

私が働くという事は、我が子が保育園に行くという事。
我が子が保育園に行くという事は、何かあればお迎えに行かなければいけないという事。

本来働かなくてはいけない時間に、急に抜けて帰らなくてはいけなくなる。(これがね、、働くお母さんには1番大きくのしかかってくる事だと思うんです。)

そうなってくると、保育園は必然的に人員不足に陥ります。

保育士の数が足りない…現場で起きる悪循環

認可保育園の場合、預かる子どもの命を守るために法律で子どもの人数に対して最低限の保育士の数が決められているんですね。

例えば、0歳の子どもなら保育士1人に対して3人、1~2歳なら保育士1人に対して6人など。

さらに年齢が上がれば1人担任になるので、業務中に途中でいきなり1人抜けるという事はなかなか大変なんです。

ここで心苦しくなって辞める人も多々います。

ちなみに私は、社会福祉法人運営の保育園と、企業運営型保育園の両方で働いたことがありまして。
難しいところまでは私も把握しきれていませんが、私立保育園の運営にはいくつか種類があって、その中で社会福祉法人運営の保育園は福祉事業を目的とした施設。

企業運営型の保育園は、保育部門の他にも事業を手掛けている。と言った感じで、1番大きな差は「非営利」か「営利」かです。

個人的な感覚ですが、社会福祉法人運営の保育園は割とはじめから人数を多めに配置してくれているところが多い気がします。

私がいたところでもそうでしたし、保育士仲間に聞いてもフリーの先生がいたり、乳児クラスにプラス1〜2人はいたりする事が多いかな〜という感じです。

これが企業運営型だと、人件費の関係が強く出てくるんですよね。

私がいた園は、本部からの指示で「最低人数でまわすこと」とずっと言われていました。

なので園児が病欠などで少ない日は、短時間パートさんは帰宅したりするんですよ。

でも園の子たちに病欠が多い時期は、我が子の園でももちろん病気が流行っているんですよね〜、、

そしてかかってくるお迎えコール。

でも保育士の人数が足りないので、午前中にお迎えコールがきたとしても、私は午後からの先生が出勤してくるまで帰れない…なので午後からの先生にお願いして早めに出勤してもらって……みたいな流れになるんですよ。

最短でお迎えに行っても、電話を受けてから3時間後とかザラにありました。

もちろん、あくまで私が働いた場所を参考にした見解なので、企業運営型でもしっかりした保育士バックアップをしてくれているところもあると思いますし、何より今の日本そのものが慢性的な保育士不足でもあるので、社会福祉法人運営であっても保育士人数が全然足りないという場所も多いと思います。

この保育士の慢性不足、潜在保育士の多さ、そして保育士を続けたい人でも続けられない環境、、、

全部悪循環ですよね。正直。

保育士に人権を……!

待機児童を減らすために、保育園を増設したらどうか!とか、保育士足りないから無資格の人もバンバン雇おう!とか、なんだか保育士をしていた立場から見たら、あまりにも方向性がおかしい気がして仕方ないです。

保育士って子守するだけと捉えられがちですが、「健康」「人間関係」「環境」「表現」「言葉」の保育の5領域などを専門的に学んだ国家資格取得者なんです。そもそも、保育と子育てを混同して勘違いされているのを目にしますが、保育と子育てはまた違うんですよ。

子育て経験が生きる仕事ではあるけど、それと保育士ができるはイコールじゃない。

もちろん逆も然りですが笑

なので、お母さんが保育士さんすごい!と思うのと同じように私も保育士しながらお母さんすごいって思っていました。

何が言いたいのかって簡単に言ってしまえば、

配置人数基準をもっと現代に合うようにしてほしい!!!

ですね。

そのためには両方お金がかかりますが。笑

経験と知識のある先輩たちがことごとく辞めざるを得なくなる今の状況で、保育園ばかりが増設されたって、子どもの安全なんて守れない。

10月から始まる「幼児教育無償化」は素直に保護者としてありがたいけれど、今お金をかける場所、、そこなのかなぁ??なんて思う元保育士のつぶやきでした。

著者 :野原のん

双子を含むフリーダムな4人の子育てをマイペースに描いたり書いたりしています。

Twitter : @non4nohara

Blog : 「それキツネやで!」