イタリア製機器の秘密~先入観にとらわれた落とし穴!

皆さまこんにちは!

新・ぜんそく力な日常という体験談をもとにした絵日記ブログを運営している”碧乃あか男”と申します。

今回もまた、『を知る通信』様に記事を書かせていただきました。

よろしくお願いします。

 

さて今回の体験談は、僕が今の会社に入社して10年ぐらい経った頃の話になります。

あまり詳しくは書けませんが、僕の会社は、とあるプラスチック製品を製造する、射出成形の工場です。

従業員が20人にも満たない小さな町工場ですが、製品を作る為の射出成形機は15台もあります。

そしてその成形機のほとんどが日本のメーカーなのですが、1台だけ別の国のメーカーの成形機があります。

それは僕の会社の専務が、よくイタリアに出張していて、その出張先の紹介で購入した、イタリア製の全自動専用成形機(通称全自動)なのです。

他の成形機は、全自動も半自動としても使う事が出来るのに対し、イタリア製の成形機は全自動成形のみしか使用できません。

  一度セッティングすれば、設定した生産数まで自動で成形してくれる便利な機械でした。

我が社の期待を背負った全自動成形機、しかしこの機械…

イタリア仕様だった物を無理やり日本で仕様できるようにした為なのか、とにかく壊れやすい!

プラスチックの原料を溶かして練り込む加熱筒と呼ばれる場所のヒーターや、溶かしたプラスチックが射出されるノズルの部分など、何回も壊れていました。

社長や専務もそのつどイタリアから部品を取り寄せて、修理していましたが、日本製の部品より何倍も高いと、よく愚痴っていました。

そんなある日、また全自動成形機が故障しました!

今回の場所はヒーターやノズルではなく、成形機内部の電子部品!

加熱筒ヒーターの温度を感知して、オンオフをしてくれるボックス的な部分でした。

現象としては、加熱筒の温度が、設定値に達しても、ヒーターがオフにならず、ずっとオンのままになってしまう状態でした。

全自動成形機の内部を確認する社長と専務…

その部品は、一部が少し焦げていて、一目で壊れているのがわかりました。

 

前のヒーターやノズルが壊れた時も、日本製より高いからとなかなか取り寄せてくれなかった社長と専務…

今回はさらに高いであろう精密な部品に、取り寄せるのを躊躇している感じでした

ちなみに、日本製の成形機でも、同じ様な場所が壊れた事がありまして、その時は基盤交換で10万円ぐらいしたと聞いています。

日本製でこの値段ですから、イタリア製だといくらになるのか、2人がためらうのはわかります。

ですが…

日本製の成形機とイタリア製の成形機とでは、使う金型が違い、作れる製品も違います!

なのでイタリア製の機械が動かなくなってしまうと、それ専用の注文が作れなくなってしまいます。

なかなか部品を取り寄せてくれないので、現場を仕切る僕は…

生産が遅れて、その対応に追われていました。

社長には毎日の様に訊いていたのですが…

その件は僕も考えている!

もう少し待ってくれ!

曖昧な返答ばかりでした。

困り果てた僕は、社長や専務に頼るんじゃなく、自分で部品を直せないのかと考え、部品を分解してみようと思いました。

どうせ壊れているんだし、もしかしたら、分解すれば直すヒントがわかるんじゃないか?

壊れた部分を持つ僕…

ここで僕は驚きの発見をしました!

それは…

部品は日本製かーい!!

 部品には結構大きくオムロンのロゴが入っていましたが、イタリア製の成形機だからと、その部品全てがイタリア製だと思っていて、そのロゴには誰も気づかなかったようです。

すぐにその事を社長に伝えると、社長も驚いた顔をして

「すぐに対応する!」

と、壊れた部品を持って行きました。

その後詳しい経緯はわかりませんが、オムロンの方に直接連絡して、同じ部品はないか確認したのか、数日後には、新しい部品が届きました。

まぁなんて言うか…

イタリア製の機械だからって、細部の部品全てがイタリア製とは限らない!

先入観にとらわれてはいけない、物事は細部までしっかりと見ないといけないなぁ〜と、思った出来事でした。

著者 : 碧乃あか男

はてなブログで体験談をもとにした絵日記漫画を更新中。Twitterのフォロワーは2万人を超える人気ブロガー。

Twitter : @MrAK1971

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