スマホだけで生活できる!中国のスマホ決済はここまで進化している

はじめまして、ちゃんこと申します。「中国でブルジョワ華人の妻してます」というブログで、香港生まれオーストラリア育ちの夫との日常生活をつづっています。

昨年から始まったキャッシュレス還元によって、日本でもようやくキャッシュレス決済が広まりつつありますが、すでに中国ではスマホを利用したキャッシュレス決済がとても進歩しています。

私も結婚して中国へ移住した直後はいろいろと不便していましたが、昨年頃からはスマホ決済のおかげで、日本よりも中国の方がなにかと生活が便利だと感じるようになりました。

そこで今回は、私が便利だと感じる中国のスマホ決済サービスをご紹介します。

中国ではスマホ決済が幅広く普及している

中国では、大手2社の「支付宝(アリペイ)」と「微信支付(ウィーチャットペイ)」により、スマホ決済が幅広く普及しています(私が利用しているのは「微信支付」のみ)。

中国でスマホ決済がどれくらい普及しているのかというと……。

このような小さな食堂に……。

例えば、このような昔ながらの小さな食堂にもQRコードが掲げられているレベルで広く普及しています。日本だったら「現金のみ」と言われてしまうような小さなお店でも、中国ならばどこでもスマホ決済で料金を支払うことができるのです。

そして、スマホ決済で料金を支払える店舗は、飲食店だけではありません。ここからは、私が便利だと感じる中国のスマホ決済サービスをご紹介します。

①宅配サービス

私のいちばんのお気に入りは、支払いがスマホ決済で完了するフードデリバリーサービス。私が普段利用している「美团外卖(メイ・トゥアン・ワイ・マイ)」には、多くのレストランが宅配ショップを展開しているので選択肢が非常に豊富!

レストラン以外にスーパーや青果店などもあるので、日用品の買い出しにも便利です。配送料も料金プラス100円程度と手軽な価格なのも利用しやすいポイント。

特に、米や水など重たいものも玄関まで持ってきてくれるのが本当に助かります!
また、注文時に案内される配達時間通りに届けてくれるのも安心です。私は日常的に利用していますが、注文した品物が届かない、内容が違うなどのトラブルに今まで遭ったことがありません。

ちなみに、スタバ公式の宅配ショップは無かったものの、「スタバでコーヒーを買ってきます」という代理購入ショップを発見。利用者の代わりにスタバでコーヒーを買って自宅に持ってきてくれる、という変わったサービスです。

このように、食事や日用品の買い出しだけでなく、コーヒーやスイーツなど、生活に必要なものの多くが一歩も家から出ずに手に入るため、非常に便利で重宝しています。

②個人間送金

中国のスマホ決済を使えば、トークアプリ上で簡単にお金を送り合えます。日々の買い物がスマホ決済で完結できるため、生活費やお小遣いも夫からアプリを経由して電子マネーの形でもらっています。

かなり大きな金額のやり取りも可能です!(18,471元=約277,000円)

個人間送金の一番便利な使い方は、友達と一緒に食事した時の割り勘。おつりの心配をすることなく、細かい金額を送金できるので支払いがとてもスムーズです。

③カフェやレストランでの注文

中国のレストランやカフェでは、座席にQRコードが貼ってあります。QRコードをスマホで読み込むと画面にメニューが表示されるので、好きなものを選んで決済ボタンを押します。

これで注文完了。料理ができると直接自分の座席に運んできてくれます。

店員さんとの会話がなく注文が完了してしまうので少し寂しい気もしますが、私のように中国語でのやりとりに自信がない外国人でも、自分が頼みたいメニューを確実に注文できるので安心です。

④駐車場の支払い

中国では、駐車料金の支払いもスマホ決済です。駐車場のいたるところにQRコードのついた看板があります。

それをスマホで読みこみ、車のナンバー等の情報を入力して、支払いボタンを押せば事前決済完了。そのまま駐車場の出口へ行けば自動でゲートが開きます。

このサービスによって駐車場の出口渋滞を緩和できるようになると思うのですが、まだ慣れない人が多いのか、中国でも出口でQRコード読み込んで決済する人もいるため普及にはもう少し時間がかかりそうです。

⑤配車サービス

中国では、スマホ決済が普及しているおかげでタクシーなどの配車サービスも便利です。車の大きさや相乗り可否などのオプションを決めた上で車を呼ぶことができます。

目的地を入力すると対応可能な運転手から運賃金額を提示した上で返答があるので、金銭トラブルが起きにくい仕組みになっていて安心です(中国のタクシーは目的地が近すぎると乗せてくれないことや、料金をぼったくられることがあります)。

ちなみに、昨年私一人で広東省を旅行したとき、この配車サービスのおかげでスムーズに移動できました。

中国でスマホ決済が急速に普及した理由

中国のスマホ決済はここ数年で急速に普及しました。それを実現できた要因は主に二つあると思います。

一つめは、中国には競争の自由がないこと。中国の決済アプリといえば、大手2社「支付宝(アリペイ)」と「微信支付(ウィーチャットペイ)」しかありません。他に選択肢がないため、消費者側も店舗側もこの2つさえ導入しておけばよく、迷いがありません。

一方、日本には競争の自由があるため、各社さまざまなスマホ決済サービスを立ち上げています。店舗によって導入しているサービスもそれぞれ異なるため、私たち利用者はどのアプリをダウンロードすればいいのか迷い、手が出しにくくなってしまいます。

二つめは現金への信頼性の低さ。中国では今も偽札が多く出回っているため、店舗側が進んでスマホ決済システムを導入したのには偽札被害を防止する目的もありました。

一方、日本は現金への信頼性が高いため、どうしても「現金の方が安心」という気持ちが強く、なかなかキャッシュレス決済に踏み出せないという人も多い印象です。

このように中国で便利なスマホ決済が急速に広まった背景には、日本とは異なる中国ならではの事情があったことが考えられます。

まとめ

中国のスマホ決済は非常に便利です。その理由は、上記サービス全てがトークアプリ「微信(ウィーチャット)」一つで利用できることだと思います。

微信アプリ自体に支払い機能があり、そこから各サービスに連動しているので、個別に各社のアプリをダウンロードする必要がありません。分かりやすく使い勝手がとても良いので、慣れれば誰でも簡単に利用することができます。

一度使うとクセになる便利さで、日本にもあったらいいのになぁと感じてしまいます。さまざまな事情の違いから、日本では中国と同じような普及の仕方はしないかもしれませんが、より便利な決済サービスが今後日本でも広がっていくことを楽しみにしています。

著者 : ちゃんこ

プロフィール_ちゃんこ様

金持ち華人の家に嫁いで専業主婦になった純日本人です。絵日記ブログ「中国でブルジョワ華人の妻してます」を運営中。中国茶が好きです。

Twitter: @CPchanko

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